REPORT「土佐の植物暦」山好き社員の散策レポート

「土佐の植物暦」を片手に高知の山や公園を散策してみました!

「土佐の植物暦」
山好き社員の散策レポート
No.7

花一輪。さりげなく置かれた小さな花瓶に季節の花が絶えたことがありません。高知市郊外のある施設ではロビーの窓辺や階段、更衣室などいたる所に花が飾られています。
 施設のスタッフに聞くと、この施設を利用しているMさんが自宅の庭や近くの野山で摘んだ草花を生けてくれるそうです。
 驚いたことにMさんは「土佐の植物暦」を愛読しているというではありませんか。「ぜひお会いしたい」。施設スタッフの協力でしばらく後にお会いすることができました。
 というわけで今月は、山野草を愛してやまないMさんにお聞きした「私の植物暦」をレポートします。

16年間絶やさずに

―花を生け始めたのはいつ頃からでしょうか。

「施設がオープンした翌年からです」

―かれこれ16年近くになりますね。私もこの施設をよく利用しますが、いつもいつも季節の花があります。

「そうですね、週2回は入れ替えます。山野草は園芸品種と違い、日持ちしない花が多いですから」

―どんな思いで16年間も?

「子どものころから花が大好きでした。自分で花壇を作って好きな花を育てたり―。生活の中に花があると心が安らぎます。(施設の利用者から)花のことで声を掛けられると、ほんとにうれしい」

―生ける花は山野草が多いですね。

「そうです。華やかな花よりも、目立たなくてもよく見ると可憐、そんな花が好きです。小さな花が風に揺れているのはとても風情があり、愛おしくなります」

俳句の参考に

―本はどんな使い方をされていますか。

「(著者の小林史郎さんが)高知新聞の夕刊に連載していた『土佐の植物日誌』が楽しみで毎日、切り抜いていました。本になって写真がほんとにきれいです。私、俳句をするのですが、月別の暦になっているので季語を考えるときは、とても参考になります」

Mさんは庭や自宅周辺のあぜ道、近くの里山も案内してくれました。アケビ、ミツバアケビ、ルリハコベ、ヒメイカリソウ。庭も花壇も隅々まで手入れが行き届き、花を慈しむ暮らしをかい間見る思いがしました。

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